札幌ドームの巨大な天然芝のステージ「ホヴァリングサッカーステージ」は、サッカーの試合がないときは、屋外の「オープンアリーナ」と呼ばれるスペースに設置し、日光を当てて育成しています。しかし、冬の間はどうなっているのでしょうか?また、積雪が残る3月の北海道コンサドーレ札幌ホーム開幕戦に間に合わせるためにはどうするのでしょうか?今回、ホヴァリングサッカーステージの謎をご紹介します!

冬の間、「ホヴァリングサッカーステージ」はどうしているの?

北海道の冬はご存じの通り、外気温も低く雪も降りますが、「ホヴァリングサッカーステージ」は、屋外の「オープンアリーナ」にてそのままの状態でひっそりと冬を越します。

今年は例年に比べ、積雪が少なかったのですが、それでも高さ50cm程度の積雪がありました。このホヴァリングサッカーステージに積もった雪、実はとても良い役割を果たしているのです。雪の降らない地域の天然芝は冬の間、風や乾燥、寒さに直接さらされてしまいますが、札幌ドームの天然芝は雪に守られるようにして、風や乾燥をしのぐことができるのです。
どんなに外気温が低い厳冬期でも積雪のおかげで、地中5cmの部分の温度は0.3〜0.5℃ほどです。重労働の除雪で「雪」に対してあまり良いイメージがない北海道民の方が多いと思いますが、天然芝にとっては悪いことばかりではないのですね!

北海道コンサドーレ札幌の
ホーム開幕戦に向けて除雪開始!

機械で高さ50cm⇒20cmまで
除雪します

除雪用の機械で、高さ50cmあった雪を高さ20cmまで減らします。
除雪した雪は、ホヴァリングサッカーステージの周りに落とし、落とした雪は、グラススタンド(オープンアリーナ周りの芝生)に機械で飛ばします。

高さ30cm分の雪ですが、ホヴァリングサッカーステージの面積は10,200㎡と巨大なため、除雪する雪の量は3,060㎥。これは排雪ダンプ219台分です。
機械で除雪といえども、約4日間もかかる大仕事です。

人力で高さ20cm⇒10cmまで
除雪します

機械で除雪したあと、高さ20cmから10cmまでは、芝を傷つけないよう約50人のスタッフで約4日間、スコップやスノーダンプ、ソリを使って除雪作業を行います。 10cm残す理由は、芝が寒風にさらされて葉が黄化するのを防ぐためです。

毎年2月下旬から3月上旬にかけて実施しますが、今年の作業をはじめた2月29日の午前中の気温は、0.5℃で吹雪。そんな悪天候の中、若い男性スタッフたちが一生懸命除雪してくれました。

最後の仕上げは、
北海道コンサドーレ札幌のサポーターの皆さまと

除雪スタッフによって、高さ10cmまで減らしたホヴァリングサッカーステージの雪は、最後の仕上げとして、天然芝を傷つけないように丁寧で繊細な作業を行う必要があります。
この最後の仕上げは、北海道コンサドーレ札幌のサポーターのご厚意をお借りして、サポーターの皆さまと除雪を行います。

札幌ドームが開業して以来、積雪の少ない年を除き毎年実施してきた「サポーターによる除雪」。

今年も200名と数多くのサポーターにお集まりいただきました。




石狩からご夫婦で除雪に参加してくれました!

『ほぼ毎試合コンサドーレ戦は観戦しています!この除雪も、ほぼ毎年参加しています!恒例行事ですから!昔は僕らの子供もこの除雪に連れてきていたんだよ!
好きな選手は・・・・ドーレくん!!!笑
コンサドーレ今年こそ優勝してほしいね!僕の生きているうちにJ1に昇格して、優勝してほしいな!
頑張れコンサドーレ!』

宮の沢からご夫婦で除雪に参加してくれました!

『今日は除雪に少し遅れてきてしまったけど・・・ほぼ毎年除雪に来ています!
今年は、シーズンシートも買ったし、毎試合応援に来ますよ!
イナ(稲本選手)や伸二(小野選手)がいるけど、やっぱり若手選手も頑張って欲しいです!若手が“俺たちが引っ張っていくんだ!”という気持ちがあると良いですよね!
絶対、J1昇格して欲しいです!』

サポーターの皆さまの熱い想いは、雪を一気に溶かしてしまいそうです。
たくさんのサポーターの皆さま

除雪後は“ローラー転圧”と“ブラシがけ”で
メンテナンス


次に、昨シーズン終了後の傷んだピッチ表面の凸凹を治すため、トラクターで転圧用のローラーをけん引してピッチ表面を平らにします。

トラクターの後ろについている転圧ローラーの重さは約1,000kg。鉄製のローラーの中に水を加えて重くします。この転圧ローラーをころがし、ピッチ全体をむらなく転圧します。

その後、転圧作業で寝てしまった芝をブラシがけ作業で起こします。ブラシがけ作業により、古い葉や茎を取り除きます。

最後に適宜、芝刈りなどを行い、北海道コンサドーレ札幌のホーム開幕戦が開催されるその日を待ちます。

無事、芝の緑が見えたホヴァリングサッカーステージ。
とはいえ、まだまだ寒い北海道の3月上旬。開幕まで細心の注意を払ってよりよいピッチコンディションを作っていきます。

土壌の凍結を防ぐために、アンダーヒーティングシステムを使って、適切な地温を維持します。
また、目土(補修用の砂)を芝が剥げてしまったところに入れます。

◀横に倒れた芝

▲ ブラシがけ作業 ▲
ブラシを回転させ、芝に当てることで横に倒れた芝を起こして、古い葉や茎を取り除きます。

その後は、芝の生育を早めるために効果的な液肥(液体の肥料)を散布し、芝刈りを行い、開幕の準備が整いました。

今年も札幌ドームのホヴァリングサッカーステージでは、コンサドーレの開幕戦に間に合わせるために、集まったサポーターの皆さまのおかげで雪が取り除かれ、青々とした天然芝が姿を現しました。

「札幌ドームの裏側」では今後もさまざまな「人」「仕事」「設備」を定期的に取り上げてまいります。次回もぜひ、お楽しみに!

札幌ドームへのメールはこちら

PAGE TOP